ビットコインが値上がりしなくて暇なので、東洋経済と同時期に買って読んだ雑誌のお話をします。
こちらはScientific Americanという、アメリカの科学系雑誌で、「お金の未来」という特集。
世界で最初の金融システムの事例から、ビットコインをはじめとする仮想通貨のシステムの解説まで、知らない人でも読める導入記事。
仮想通貨やブロックチェーンの制約や危険性の解説、またブロックチェーン技術を利用した他の関連分野の展望など、科学雑誌にふさわしい内容になっています。
面白かったのは、ブロックチェーンの安全性を支えているのが、「ブロック化」処理に膨大な負荷を敢えてかけることによること。
これはマイニングと呼ばれる過程ですが、この高度な演算処理に成功した者がビットコインを入手できることになっており、このインセンティブ、つまり人々の「欲望の綱引き」によりブロックチェーンは稼働しています。
ところが、数多くのマイナーが高スペックのPCで難解な演算処理を行うのには、とんでもない電力を要するのだそうで、これがeBayとFacebookとGoogleを合わせただけの電力にのぼるんだそう。
当然それだけの投資ができる人・団体・国と、そうでない者の間に格差が生まれるし、環境問題にもなってきます。
導入記事の筆者は、こうした現状に対応するべく、より持続可能なシステムおよび仮想通貨を開発中なのだそうです。
上記のような不特定多数の人間の「欲望の綱引き」によって非中央集権化を成立させているブロックチェーンですが、非中央集権が望ましい場面ばかりでは必ずしもない、ということも書いてあります。
信用をバックアップするため、人はどこかで必ず規制を必要とするだろう、とのこと。
しかし、「信用」ということだけに関していえば、ブロックチェーン技術は安全性の高いデジタルIDなどの形で個人情報の次なる担い手として期待されているようです。
「欲望の綱引き」は自由主義的な経済観に基づいた設計といえます。
誰かがとんでもないプログラムを開発し、潤沢な資金でもってマイニングを独占できたとしたら?
エネルギー燃費の悪いビットコインに人々が背を向けたら?
通貨として「正しく」機能する仮想通貨が現れたら?
仮想通貨に人々は「未来を見て」いると思いますし、ビットコインは未だに先駆者利益を享受していると思いますが、上記のような問題が発端となって、瓦解するのかもしれません…
今度は海外の金融系雑誌も読んでみたいものです。
つづく